スティンガー（フラットウォーターゴイター）は、ケビン・ポンチュエラが数年前に開発した技です。いまだにほかの選手がやっているのを見かけない難易の高い技です。そして、私は２００２年４月にハワイ マウイ島でケビン自らによるクリニックを受けることが出来ました。目の前で、ポンチが何十回となくスティンガーを見せてくれたのです。
スティンガーのエントリーは、スピードのあるジャイブからです。このとき、しっかり前傾姿勢でジャイブに入らないと、セールを捻ってゴイターの姿勢にするときに裏風をもろにもらってしまいます。前傾してトップスピードでランニングまで行ったらゴイターです。ここがポイントです。最初のハードルは、ゴイターでいかに飛び出すかです。裏風をもらわずに飛び出せるかは、このスピードと前傾姿勢に秘密があります。
何度か、スティンガーのエントリーを行っているうちに、これはワイマルーの飛び出すタイミングであることに気がつきました。上記にも記述しましたが、スピードと前傾がワイマルーなのです。そして、飛び出すタイミングもそうです。ただセールの回転方向が逆なだけです。これが分かってからは、ケビンもびっくりのパーフェクトな飛び出し方になりました！
ゴイターで飛び出せたら、今度はセールの上に腕立て伏せします。実は今回のクリニックで、私はこの瞬間セイル手をプッシュ（のばす）してしまいました。ケビンのアドバイスを私が聞き違えたのか、彼が言い間違えたのか、「飛んだら、セール手をプッシュして！」というアドバイスに従ったのです。
大間違い！セール手を伸ばすようにプッシュしてしまうと体が反作用で回転の反対方向に戻ってしまいます。空中でゴイターの頂点の姿勢で失速してしまうのです。正解は、やや両腕を曲げた状態（腕立て伏せで少し肘を曲げているカッコ）でホールドするのです！
ゴイターで飛び出して、セールの上に腕立て伏せの姿勢が保つことが出来たのなら、後はその次ぎの瞬間ボードがテールから自然に着水することが分かるでしょう。
この後は、流れでセールを起こせると思います。怪我してこの後は、試せませんでした。
前条で記載しましたが、空中でゴイターの姿勢のまま墜落して、前足のフットストラップに入れていた左足の第４指（薬指）甲にある骨を骨折してしまいました。それが起こった場所は、ホキパの沖約２〜３キロの地点でした。しかもその時オフショアに風が振れていたのです。水上で痛みが治まるまで１０分ほど待っていました。あんまり、待ちすぎると鮫の餌食になると思い、思い切って痛めた足で、ウォーターしてみたのです。何とかその痛みに耐えれそうだったので沖方向に走らせました。
タックしたかジャイブしたかは、覚えていませんが、とにかく十分以上、風上に上らせてから方向を変えました。今度は痛む足が前足です。当然フットストラップにはいれれなかったので、デッキに置いたままです。なるだけジャンプしないようにセールを少しゆるめ気味で岸に向かいました。
何とか、ホキパのビーチについた私をケビンが待っていてくれました。ケビンに私のリグを預けケンケンでホキパの芝生の上まで行きました。そこには、ビヨンとその取り巻きが数名腰掛けていました。「痛かったよー」ってビヨンに話したら、笑っていました(^_^)
車に戻って、シャワーを浴びるために帰宅しました。幸い左足だったので運転は問題ありませんでした。
カフルイの救急病院に行くつもりだったのですが、ローカルセイラーたちがあそこはやめた方がよいとのことなので（かなりの時間ロビーで待たされるらしい）その日は、ドラッグストアーで氷枕数種類と松葉杖をかってベッドで安静にしていることにしました。
翌日、朝からカード会社に紹介された、ドクターのところに行くことにしました。島の反対のラハイナのハイヤット内のドクターです。予約時間に行くとすぐに看護婦さんがＸ線を撮ってくれて、その１０分後にドクターが診断してくれました。費用は約５００ドルでした。もちろん、カードに付帯の保険で全額カバーです。
診断を受けた翌日、骨折から２日目に予定道理帰国しました。空港内では、すべて係員の人が車いすで移動させてくれました。また、たまたま今回はマイレッジを使ってビジネスクラスで行っていたので、飛行機の中でも快適！足をのばしてゆっくりしながら帰ってこれました。もちろん飛行機には一番で入れてもらえましたし。
帰国後、整形外科に直行しました。そして、ギブスをはめてもらって、約３週間で骨が繋がって、そこからリハビリに数週間で全快だそうです。５月１１，１２日の本栖湖のフリースタイル大会は、参加できそうにありません。残念残念！あそこで、１発、日本人初のスティンガー決めてやろうと思ったのに(*^_^*)
骨が繋がったら、スティンガー完成させるぞーみてろー！！
皆さんも怪我には気をつけてフリースタイル練習しましょう！！