フロントライディング



ヒロのフロントサイド成功への道

なかなかフロントにふれなくて・・・

 94年〜95年のあたりでスラーロームレーサーからウエーブセイラーに転向したときです。バックサイドは、当然タックの延長ですから問題なくこなせました。しかし、フロントサイド!練習していた場所は、ややオンショア気味のゲレンデで,、なかなかうまくいきませんでした。
 ボトムターンで波から降りたわいいが、こんど戻るとき、波が遠い事遠い事?そこで、速度が無くなって巻かれたりセイルをトップターンで引き込みすぎで風が入らず沈したりの連続でした。

96年、エスペランスでの経験

 96年頃です。あのVIDEO「QUEST」でも有名になった、西オーストラリアの一番南、エスペランスに長期滞在しました。
 エスペランスの波質は(ビデオをごらんになった方は分かると思いますが)、クロスオフショアで面ツルしかも、波がスーパー早くてパワフル!最高のコンディションなのです。このようなクォリティーなら、だれだってロビーナッシュになれます。
 いままで、フロントサイドに2回ふれたら上出来だったのが、そこなら難なく5回以上ふれました。面ツルでクロスオフならこんなに簡単なのかと感動しました。

97年、ナールーでの経験

 その次の年には、パースから1200km北にある秘境「ナールー」に行きました。そこに行くには、テント、ガソリン、食料持参で望まないと行けない場所なのです。でも、そこはたぶん世界で1番パーフェクトなところでしょう。1km以上のクロスオフ+マシンブレイク+面ツル波が続くのです。想像できますか?1km以上ですよ。一体何回フロントにふれることやら?その気になったら、30回以上です。ほんとに途中で何回フロントに振ったのか忘れるぐらいです。
 そのあたりからです、ポートのフロントサイドに自信が出てきたのは。良いコンディションでの反復練習が、良い結果を生んだのですね。

98年、ジェラルトン サンセットビーチにて

 98年頃には、ウエーブの神髄に触れるようになってきました。ホームのジェラルトンでのライディングも切れと速さが加わってきました。そのころ、フォワードループも完着出来るようになり。オンショアの波でも、サイドショアの波でもフロントを難なくこなせるようになりました。波と風の方向により、ボトムターン時の腰の切り方(セイルの開き方)を変える事により乗りこなす事を覚えたからです。

99年ジェラルトン スポットXにて、優勝!

 99年には、ジェラルトンのスポットXで開かれた、オーストラリア ウエーブ サーキット第6戦にアマチュアクラスで優勝できました。実は、その時は、西ーストラリアではめずらしい、スタボーの風が吹いたのです。御前崎のセイラーもそうですが、オーストラリアのセイラーも反対から吹く風に乗らないので、みんな慣れていません。そのため私が優勝できたのですが。でも、優勝は優勝です。自分自身とても自信になりました。

2000年、エアリアル

 2000年、トップターンを集中的に練習しました。特にロビーがビデオで見せる、あの横っ飛びエアリアルがやりたかったのです。
 色々試しましたが、まだ自分自身、準備不足でした。決定的に波乗りの速度が遅すぎたのです。速度が遅いときわどい場所に行けません、もし行ったとしてもひどく巻かれて終わりです。でも、きわどい場所に行かなければ、エアリアルも出来ないしアグレッシブなトップターンは出来ません。
 フロントライドは、ボトムターンで決まるということを痛感させられた年です。

2001年の課題は、ボトムターンのフォアレイキでした

 そこで2001年は、ボトムターンに着目しました。ビデオに取ってもらった自分のボトムターンを詳しく分析しました。ボトムターンで、マストのフォアレイキを強めボトムでの速度を上げるのが最重要課題だと思いました。
 そこで、ジェラルトンのポイントモーアのキディーというリーフで、毎日午前中、ボトムターンの練習です。そのリーフは、不思議なリーフで、いつもそこだけ波が立っています。しかし、波の幅が短いのでターンは1回だけです。サイズは結構あります。マストサイズはざらでしたから。
 そのキディーで、ひたすら1発だけのボトムターン練習です!しまいには、ジェイソンばりとは言わないまでも、結構フォアレイキできるようになりました。
 その結果、ボードスピードが伸び、リップに今までより激しくアタックできるようになりました。そう、ストレート気味にアプローチできるようになったのです。速度のたまものです。

2002年、再びエアリアルに挑戦

 2002年は、準備万端整ったので再びエアリアルにトライです。リップに真っ直ぐアプローチしてオフザリップ、ローラーコースター、エアボーン。速度があるので思い道理です。そうなってくると、さらにきわどいリップをねらいに行きます。好循環です。
 道具のせいもあります。2002シーズンは、マストをスキニーに換えました。マストがおれない安心感はウエーブにとってとても重要です。巻かれても自分の身の安全だけ考えればいいようになったのは大きいです。そして、カスタムボードを日本から持っていきました。プロダクションにはない、レイルの薄さがさらにボトムターンをイジーにしました。その結果、また速度(自由度)が上がったのです。
 フリースタイルのワザもリップで使えるようになりました。そう、ワイマルーをリップで行えばそのまんまグースクリューです。フラットでやるより波の力を利用できるので簡単でした。
 
 2003年のシーズンが待ち遠しいです。来シーズンは、ボトムターンに入っていく角度を詰めていきたいと思います。波に直角に降りてボトムターンに入る場合、やや風上側に降りる場合、風下に降りていく場合を上手く使い分け更に波の中での完成度を上げていきたいと思います。


成功のキーワード

「ストラップは、がばがば状態でOK。」・・・・前のストラップは、親指の付け根が見えるぐらい、後はそれよりさらに深くしてみます。そうすればインレールにプレッシャーが掛けれます。

「ボトムターンのセイルの方向は、ノーズに向けて倒す事。」・・・ボトムターンでセイルは、フォアレイキしたいものです。その時のマストの方向なのですが、ノーズに真っ直ぐ向っていくような感じです。レイダウンのように、回転の中心に向けると波に引っかかるし、回りすぎてしまうからです。結構窮屈な姿勢です。

「トップターンでは、セイルは思いっきり開く。」・・・良く引き込んでしましがちです。とくに、クロスオンショアのコンディションでは、そうなりがちです。思い切りよく、セイルを開きましょう。